Drop X




 色とりどりの、宝石みたいな光。

 見ているだけで、楽しくなる。

 甘い、甘い・・・。






 「あ〜〜〜〜〜!!」
 しばらく出かけていて、宿の部屋に帰って来たと思ったら、突然悟浄は大きな声を上げた。
 その日の同室である八戒は、その叫びに驚いて彼の方を見る。
 「八戒!ここにあった飴玉知らねー!?」
 数日前、袋詰めの飴玉を悟空に買い与えてやったのだが、そこから数個くすねて悟浄は持っていたらしい。
 それを、ベッドサイドのテーブルに置いておいたのだが、それが見当たらない。
 飴・・・?と八戒が小首を傾げる。
 もしかして・・・。
 八戒が、悟浄に向かってぺろりと舌を出してみせた。
 「あ゛〜〜〜!それ!!」
 指差した先にあるのは、真っ赤なキャンディー。
 しかしそれは、八戒の舌の上に乗っていた。
 「一番デカイから、最後に取って置いたのに!」
 「はぁ・・・すみません」
 大きな飴玉を含んでいる為に、少し舌っ足らずなしゃべりになってしまう。
 一個だけ何気無しに置いてあったので、何となく食べてしまったのだったが・・・。
 どうやらそれは、悟浄にはそれなりに拘りがあって、残しておいたものだったらしい。
 子供みたいだと、八戒はクスクス笑ってしまった。
 「・・・何笑ってんだよ」
 「別に」
 ガックリ肩を落としてしゃがみ込んでしまった悟浄が、恨めしそうに見上げてくる様に、更に笑いが込み上げる。
 「・・・返してあげましょうか?」
 「あン?」
 「コレ」
 そういって、まだ溶けきりそうにも無い、大きな紅い飴玉を歯で咥えて指差す。
 それを一瞬意味を取り損ねて、悟浄はボケっと見上げてしまった。
 だが・・・。
 「うん。返して」
 ニヤリと笑ったかと思ったら、立ち上がって八戒の腕を取り、引き寄せる。
 覗き出ている飴玉をペロリと舐めてから、それに噛み付くように口付けた。
 コロリと舌の上で、飴玉が八戒から悟浄に移る。
 けれど、唇は離れなかった。
 「・・・んっ・・・」
 抱き込むように腕が腰に回され、身体が密着する。
 そのまま、後ろにあったベッドに倒れ込む様に沈み、暫くそれを味わってから漸く、唇が離れた。
 濡れた唇を舐めながら、悟浄が八戒の瞳を覗き込む。
 「・・・甘い」
 「甘いですね」
 額を合わせて、悪戯をした子供のように、笑いあう。
 キャンディーみたいな悟浄の瞳が、翠を映す。
 「甘ったるいな・・・」
 呟いて、もう一度唇が重なった。



 ホントに甘いのは、ナニ・・・?






 END

   うわっ!短!!しかもありがち!!
 ・・・リク内容「浄八でさりげなく甘い。夫婦っぽい。気がつくと二人の世界」って感じだったんですけど、結果は「浄八、確信的に甘い。バカップル。最初から最後まで二人の世界」になりました(溺死)
 リクエスト・・・聞くだけで、守らない女だ・・・。
 やはり、うちでのキリバンGETは、めでたくない・・・。
 申し訳ありませんでした・・・(T T)


 この話は、30000HITを取った河村くるみ様に捧げます。







女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理